倉庫管理システムのアウトソーシングとは?メリット・デメリットを解説

倉庫管理の効率化を図るため、多くの企業がアウトソーシングの道を選んでいます。アウトソーシングすることにより、人手不足が解消され、倉庫管理の品質が向上するなどのメリットがあります。一方、デメリットもゼロではありません。

本記事では、倉庫管理システムのアウトソーシングについて詳しく解説します。アウトソーシングをするか悩んでいる方をサポートできる内容になっているので、ぜひ最後までご覧ください。

倉庫管理システムのアウトソーシングとは?

企業が倉庫管理業務を自社で対応せず、外部の専門業者に委託することです。委託する倉庫管理業務には、次の内容が含まれます。

業務内容
入庫業務倉庫業者が商品を受け取る
検品業務入庫した商品の数量や品質を確認する
保管業務商品の保管場所を決め、種類や特性に応じて保管する
在庫管理現状在庫の確認や、在庫変動データの更新をする
出庫業務顧客の注文に応じて、商品を保管場所からピッキングする
梱包業務指定された梱包方法で商品をパッケージングする

上記のほかに、返品処理やコンタクトセンター、データ分析などの業務に対応している場合もあります。また、一部の倉庫業者は独自に倉庫管理システムを内製しており、自社の運用ルールに合ったシステムの開発・実装も可能です。

倉庫管理業務にはさまざまな作業があり、自社で対応するのは容易ではありません。倉庫管理業務を外部の専門業者に委託することで、スケールアップや業務効率化を図れます。

倉庫管理システムをアウトソーシングするメリット

倉庫管理システムをアウトソーシングするメリットとして、以下の5つがあります。

  • 人手不足の解消
  • 顧客満足度の向上
  • 販売機会の拡大
  • コストの削減
  • リソース配分の最適化

人手不足の解消

多くの業務を抱える倉庫管理業務をアウトソーシングすると、倉庫管理業務に自社の人員を充てる必要はありません。人手不足に悩んでいる企業も、業務効率化を図るアプローチではなく、直接的に人手不足の問題を解消できます。

夏期や冬季、年末年始など、特定のシーズンで需要が増えるような商材も、アウトソーシングすると柔軟な対応が可能です。

顧客満足度の向上

倉庫管理業者は、高度なスキルや技術を持っています。そのため倉庫管理業務が効率化し、迅速に商品を届けられるようになります。納期遅延や在庫切れの発生も抑えられるでしょう。

商品の品質だけでなく、物流や在庫管理が顧客満足度に直接影響を及ぼす時代です。企業がこのようなトレンドを理解し、適切にアウトソーシングを活用することで、長期的な顧客満足度の向上を図れるでしょう。

販売機会の拡大

倉庫管理業者は、最新のテクノロジーやノウハウを駆使して、効率的に倉庫運営を行ってくれます。自社では対応できないほどの物量にも対応できるため、販売機会を拡大できるでしょう。

コストの削減

倉庫管理業務を自社で対応するなら、人件費がかかります。人件費は繁忙期に高くなりがちで、閑散期には抑えにくい性質があります。

一方、アウトソーシングすると物量に応じた変動費となるので、季節変動があっても柔軟にコストの最適化が可能です。

リソース配分の最適化

アウトソーシングすると、物量に対応するためにかかる人件費という固定費を変動費に変えられます。また、倉庫管理業務に自社の人員を充てる必要はありません。

自社のコア業務に資金や人員を集中的に配分できるようになるため、自社の強みに特化して市場競争力を高められます。

倉庫管理システムをアウトソーシングするデメリット

アウトソーシングには多くのメリットがある一方、以下のようにデメリットがあります。

  • 細かで柔軟な対応は難しい
  • 委託できない業務もある
  • 業者選定が難しい

アウトソーシングを検討している方は、必ず押さえておきましょう。

細かで柔軟な対応は難しい

多くの倉庫管理業者は、標準化されたプロセスに依存しています。そのため、ニーズに基づいて細かくカスタマイズされた対応を行う柔軟性に欠ける場合があります。

商品知識が必要な検品や高度なラッピングなどには注意が必要です。もし細かな対応を依頼する場合、追加の費用を請求されることもあります。

委託できない業務もある

倉庫管理業者によって、対応できる業務は異なります。たとえば、商品の保管に対応できる業者は多いですが、受発注業務やコールセンター業務に対応している業者は多くありません。また、流通加工に対応していない場合もあります。

業者選定が難しい

倉庫管理業者の数は多く、自社のニーズに合う業者の選定が難しいことは把握しておきましょう。倉庫管理業務の経験がない企業にとっては、どのように選ぶべきかすらわからない場合も多いでしょう。

コストを含めて、以下のように多くの要素で比較することが自社に最適な業者を選定するのに役立ちます。

  • コスト
  • 立地
  • 誤出荷率
  • 出荷の早さ
  • スケーラビリティ
  • セキュリティ

倉庫管理システムのアウトソーシングにかかる費用

倉庫管理システムのアウトソーシングにかかる費用を、以下の表にまとめました。

項目費用相場性質
倉庫管理システム利用料月額20,000~50,000円固定費
業務管理料月額10,000~50,000円固定費
保管料1坪につき月額3,000~10,000円固定費
入庫料1個につき10~100円変動費
デバンニング料20,000~35,000円変動費
検品料1個につき10~100円変動費
ピッキング料1個につき10~100円変動費
梱包料1個につき150~300円変動費
発送料1個につき400~1,500円変動費

それぞれ詳しく解説します。

倉庫管理システム利用料

倉庫運営の効率を上げるためのシステムを使用する際にかかる料金です。業者が提供している次のようなシステムを利用する場合に発生します。

  • 倉庫管理システム(Warehouse Management System、WMS)
  • エンタープライズリソースプランニングシステム(Enterprise Resource Planning、ERP)
  • 輸送管理システム(Transportation Management System、TMS)

料金の相場は月額20,000円から50,000円です。長期契約をすることで割引が適用されることもあります。

業務管理料

物流倉庫が提供する、商品の入出庫、保管、在庫管理などのサービスに対する料金です。相場は月額10,000円から50,000円となっています。

長期契約を結んだり、出荷件数が多い場合には、割引を受けられる可能性があります。

保管料

倉庫内の保管スペースを使用する際にかかる料金です。相場は、坪あたりの月額料金が3,000円から10,000円。使用する保管スペースの広さや使用するパレット数、商品の個数などによって料金が設定される場合もあります。

立地条件の良い倉庫では、この料金がより高くなる傾向があります。一方、地方にある倉庫は保管料が低めです。

入庫料

物流倉庫に商品を入庫する際にかかる費用です。入庫料には、入庫時の受け取り、検品、棚入れといった作業費用や、設備の使用料金が含まれます。

入庫料金の相場は、商品1個あたり10~100円程度です。小さな商品はケースごとに料金が設定されることがあります。

また、大量に入庫する場合は、単価が割引されることも。入庫料金を削減するには、できるだけ一度にまとめて入庫することが効果的です。

デバンニング料

フォークリフトなどを使用して、コンテナやトラックから荷物を取り出す作業(デバンニング)の料金です。

料金は数量、重量、および作業の難易度に応じて異なりますが、一般的な相場は20,000円から35,000円程度です。また、特別な取扱いが必要な商品は追加費用が発生する可能性があるため注意しましょう。

検品料

倉庫や物流センターなどで商品を受け取ってから商品を検査・確認する作業に対して発生する料金です。具体的には、発注内容と照らしあわせて以下のようなチェックを行います。

  • 数量
  • 品質
  • 破損の有無
  • ラベルやバーコードの確認

検品の料金相場は、商品1個あたり10円から100円程度です。しかし、電源を入れて動作確認を行う必要があるなど、検品に手間がかかる商品は高くなることがあります。

ピッキング料

商品を倉庫から探し、取り出す作業にかかる料金です。倉庫スタッフの人件費に応じて設定されます。

相場は1個あたり10円から100円程度です。

梱包料

出荷時に必要な梱包作業の費用だけでなく、梱包資材の代金や納品書や送り状などの書類を発行する際の手数料が含まれています。

梱包料の相場は、商品のサイズ、形状、重量によって異なりますが、1個あたり150~300円程度が一般的です。また、ギフト用として特別な梱包が求められる場合には、追加の費用が発生することがあります。

発送料

商品の出荷に際して、物流会社に引き渡し、顧客に届けるために必要となる料金です。運送会社に支払います。

発送料は、商品のサイズ、配送距離、重量などの要因によって異なり、相場は1個あたりおおよそ400円から1,500円程度です。配送先が離島や海外の場合、料金はさらに高くなる可能性があります。

倉庫管理の委託契約を締結してアウトソーシングする流れ

倉庫管理業務をアウトソーシングする流れは、以下のとおりです。

  1. 戦略・目的を明確にする
  2. 問い合わせをしてヒアリングに対応する
  3. 倉庫業者を選定する
  4. 倉庫管理の委託契約を締結する
  5. 準備・調整後に業務が開始される

1.戦略・目的を明確にする

倉庫管理業者を選ぶためには、まずアウトソーシング戦略やアウトソーシングの目的を明確にする必要があります。多くの倉庫管理業者がいるなか、自社に合った業者を選ぶためには戦略や目標を明確にしなければ選べません。

自社の戦略・目的を実現するために必要な要素と、倉庫管理業者の強みがマッチングするのが理想です。

2.問い合わせをしてヒアリングに対応する

戦略や目的を明確にしたら、気になる倉庫管理業者に問い合わせます。問い合わせの前に資料を請求してもよいでしょう。

問い合わせやヒアリングでは、自社のニーズを明確に伝えることが重要です。ニーズに対応できる業者なのか見極められるほか、対応できる業者であればより具体的な提案を受けられます。

3.倉庫業者を選定する

複数の倉庫管理業者から自社に最適な業者を選定しましょう。

問い合わせをしたのが1社だけでは、倉庫管理業者の提案内容の比較対象がありません。複数の業者から選ぶことで、A社にはないがB社にはある強みなどを見つけることができます。

丁寧に説明してくれるか、説明はわかりやすいか、対応は早いかといった視点でも比較することが重要です。

4.倉庫管理の委託契約を締結する

信頼できる最適な倉庫管理業者を1社選定したら、倉庫業務委託契約を締結しましょう。

業者とは長期的な付き合いになるので、契約内容をよく確認しておくことが重要です。委託する業務の範囲に、認識齟齬がないか確認しておくこともポイント。

事前打ち合わせの内容と提示された契約書の内容に違いはないかを含めて、自社に不利な条項がないかよくチェックしましょう。

5.準備・調整後に業務が開始される

契約締結後、すぐに倉庫管理業務が開始するわけではありません。スタッフの梱包トレーニングや商品の搬入、システムの導入調整などの作業が必要だからです。

導入直後は細かな対応について混乱が生じることもあるので、安定稼働ができるまでチェックが必要となります。

まとめ:倉庫管理システムのアウトソーシングを検討しよう

倉庫業者にアウトソーシングすると、人手不足を解消してリソース配分を最適化でき、顧客満足度の向上につながります。また、事業の成長に合わせたスケールアップも可能です。

一方、アウトソーシングは細かで柔軟な対応は難しいことがデメリットです。業者選定も難しく、さまざまな要素を比較して自社に合った業者を選ばなければなりません。

倉庫管理を適切に行うため、ぜひ本記事を参考にしながらアウトソーシングの利用検討を進めてください。