ホームページの管理は、企業のブランドや集客力の維持に欠かせないものです。しかし、変化するWeb技術に対応しながら管理することは簡単ではありません。
本記事では、ホームページの管理方法について内容や費用の目安を解説します。ホームページの管理を始める方や、管理に悩んでいる方はぜひご覧ください。
ホームページの管理方法の内容とは?
ホームページを運営するうえでは、以下のような管理が必要です。
- ドメイン契約・更新
- サーバー契約・更新
- SSLサーバー証明書の取得・更新
- CMS・プラグインの更新
- 掲載情報の更新
- 機能の改善
- SEO対策
- アクセス解析
- お問い合わせ対応
- トラブル・障害対応
なぜ必要なのか、具体的にどうやるのかについて解説します。
ドメイン契約・更新
定期的にドメイン登録の有効期間を確認し、更新期限を忘れないようにしましょう。期限が切れるとホームページにアクセスできなくなり、信頼やビジネスチャンスを失ってしまいます。
レジストラによってはクレジットカード支払いの自動更新が設定されるなど、更新忘れを防ぐ仕組みがあります。また、1年ではなく3年継続更新をすると、手間を省きつつ更新忘れのリスクを低減できます。
ドメインを失効しないよう、期限管理は確実に実施しましょう。
サーバー契約・更新
ドメインと同様に、サーバー契約の期限管理も重要です。レンタルサーバー会社が指定する期限までに料金を支払わなければ、ホームページを表示できなくなります。期限を過ぎても料金を支払うと継続できる場合もありますが、保証されているわけではありません。
また、ホームページのアクセス数や提供されているサーバーの性能によって、最適なプランが変わります。定期的にサービスを選び直すことで、コストの最適化を図れるでしょう。
SSLサーバー証明書の取得・更新
通信の暗号化や改ざん防止に必要なSSLサーバー証明書にも、更新管理が欠かせません。
主要ブラウザはSSLサーバー証明書の有効期限が切れているサイトに警告を表示します。そのため、放置するとアクセス数低下につながります。SSLサーバー証明書の失効はユーザーの信頼を失いかねないので、確実に管理しましょう。
CMS・プラグインの更新
コンテンツを管理・更新しやすくするために、多くのホームページはWordPressなどのCMSを導入しています。また、機能を拡張するためにプラグインをインストールしているケースがほとんどです。
CMSやプラグインは、導入後も定期的な更新が重要です。更新には脆弱性を修正する内容が含まれており、常に最新版を利用することでセキュリティリスクを軽減できます。また、新しく追加された機能があれば更新後に利用できるようになるでしょう。
ただし、CMSやプラグインを更新すると不具合が生じる可能性もあります。処置を進めるためにも、更新前にバックアップを取っておきましょう。
掲載情報の更新
ホームページは、公開後も掲載情報の更新が必要です。最新の情報を提供することで、ユーザーとの適切なコミュニケーションができます。
情報が古ければ「ホームページに書いてあった内容と違った」と不満が生じ、信頼を損ねることも。反対に、定期的に情報が更新されるとユーザーの関心を維持しやすく、検索エンジンからの評価も向上するといわれています。
お知らせやブログ機能がないホームページでも更新は必要です。
- 所在地や事業内容の変更
- お知らせページの更新
CMSを導入していれば、掲載情報の更新は簡単です。ページの編集や追加は、CMSに搭載されているエディターを使います。
CMSを導入していなければ、HTMLファイルやCSSファイルを制作して、サーバーにアップロードしなければなりません。また、公開前にテスト環境で表示崩れなどの問題がないか確認が必要です。
機能の改善
掲載している情報の更新だけでなく、ユーザー体験(UX)の強化やセキュリティ対策の観点から、機能の改善も必要です。たとえば、ページが表示される時間を早くしたり、ナビゲーションを改善したりするとユーザーの離脱を防げるでしょう。
機能の改善は、一度限りではなく定期的に行うことが重要です。アクセス解析ツールを駆使しながら、見やすく使いやすいホームページにしましょう。
SEO対策
SEO対策とは、ホームページが検索結果の上位に表示されるように行う取り組みのこと。検索結果の上位に表示されることで、より多くのユーザーからのアクセスが見込めます。
SEO対策では、ユーザーの検索意図を理解したうえで質の高いコンテンツを作成するほか、以下のような作業が必要です。
- クロールのリクエスト
- クロールの除外
- サイトマップの作成
- パンくずリストの設置
- URLの正規化
- 表示速度の改善
- 被リンクの獲得
SEOツールを活用すると、効率的に進められます。自社に合ったツールを選び、積極的に活用しましょう。
アクセス解析
SEO対策やリスティング広告の運用において、アクセス解析は欠かせない作業です。アクセス解析では、次のような情報がわかります。
- ページが何回見られたか(PV)
- ユーザーがどのくらいホームページに滞在したか(平均滞在時間)
- すぐに離脱してしまったユーザーがどのくらいいるか(直帰率)
たとえば、直帰率が高ければページの内容やデザインを見直すといった対応が必要です。アクセス解析でわかったデータに基づいて、ホームページの改善を継続しましょう。
ホームページの改善を継続することで、より多くのユーザーからのアクセスを獲得し、リード獲得・売上向上といった目的を達成しやすくなります。
お問い合わせ対応
お問い合わせ対応の早さは、顧客満足度に直結します。対応が早いと、誠実で信頼できるなどポジティブな印象を抱いてもらえるでしょう。
また、丁寧に対応することで、顧客一人ひとりを大切にする姿勢を示すことができます。
迅速かつ丁寧に対応するためには、各部署との連携も欠かせません。顧客満足度を考慮し、迅速に対応できる体制をつくることが重要です。
トラブル・障害対応
ホームページにトラブルや障害は付き物といっても過言ではありません。ホームページが閲覧できない状態が長くなれば、商品・サービスを提供できず、売上の低下につながります。
トラブルの発生に備え、迅速に原因を究明して解決に進められる管理体制を構築しましょう。
ホームページの管理にかかる費用と相場
ホームページの管理にかかる費用は、次のとおりです。
費用 | 相場 |
サーバー費用 | 月額100~5,000円程度 |
ドメイン費用 | 年間1,500円~ |
SSL証明書費用 | ドメイン認証:年間0~40,000円 企業認証:年間40,000~80,000円 EV認証:年間50,000~200,000円 |
コンテンツ更新費用 | 月数回程度:月額5,000~20,000円 更新頻度高め:月額20,000~50,000円 |
アクセス解析費用 | レポートのみ:月額20,000円~ 解説あり:月額50,000円~ |
集客・マーケティング費用 | アドバイスのみ:月額50,000円~ 代行:月額200,000円~ |
ネット広告費 | 企業が予算を設定可能 |
監視・障害対応費用 | 月額5,000~20,000円程度 |
上記のうち、サーバー・ドメイン・SSL証明書にかかる費用は、どのホームページであっても欠くことはできません。ほかの費用は、自社で対応できなければかかります。
相場を含め、費用の詳細を確認していきましょう。
サーバー費用
サーバーとは、ホームページのデータやシステムを保管するパソコンのことです。一般的には、1つのサーバーを複数人が共用するレンタルサーバーを利用します。
レンタルサーバーの利用料金は、月額100~5,000円程度とプランによって幅があります。サーバーのスペックが高く、ディスク容量が高いほど高額になりがちです。
多くのホームページは、月額3,000円までのプランで問題なく運用できるでしょう。「アクセス数が増えたのでスペックを上げたい」、「データ量が増えたのでディスク容量を増やしたい」といった場合、プラン変更もできます。
ドメイン費用
ドメインとは、サーバーのIPアドレスに対応する「ikkatsu.jp」のような文字列のことです。覚えやすく短いドメイン名が好まれます。
すでに登録済みのドメインでも、基本的には1年ごとに更新が必要です。その更新時に、ドメイン費用がかかります。
ドメイン名によって費用は変わりますが、仮に「.com」であれば更新費用は年間1,500円程度です。特にこだわりがなければ、更新費用が安いドメイン名にすることをおすすめします。
SSL証明書費用
SSL証明書の取得や更新にかかる費用は、以下のように認証レベルに応じて異なります。
認証レベル | 主な用途 | 費用(年額) |
ドメイン認証 | キャンペーンページ社内サイト | 0~40,000円 |
企業認証 | コーポレートサイト会員制サイト | 40,000~80,000円 |
EV認証 | ECサイト銀行サイト証券サイト | 50,000~200,000円 |
予算に余裕があればEV認証の取得が理想ですが、最低でもドメイン認証を取得しましょう。ECサイトの場合、企業認証以上の認証レベルが求められます。
コンテンツ更新費用
ホームページのコンテンツ更新費用は、月額数千円から数十万円と幅があります。更新の頻度や内容の複雑性、依頼する業者によって大きく変動するのが特徴です。
更新頻度 | 月1回の更新より、毎日更新するほうが高い |
内容の複雑性 | テキストの追加・修正より、画像や動画の追加、SEO対策は高い |
依頼する業者 | 大手に依頼すると高くなりやすい |
コンテンツ更新費用を抑えるには、業者を変更したり、自社で対応する部分を増やしたりといった検討が必要です。
アクセス解析費用
ホームページのアクセス解析費用も、保守・更新費用に含まれる場合や月額数十万円に及ぶ場合など幅があります。使用する解析ツールやレポートの内容、頻度などが費用に影響しやすい要素です。
アクセス解析は必須ではないので、プロに依頼するほどのニーズがあるか検討することが重要です。また、Google アナリティクス(GA4)など無料のツールを使えるのであれば、基本的なアクセス解析は自社で完結できます。
集客・マーケティング費用
SEO対策やリスティング広告の運用など、集客やマーケティングの支援を依頼する費用は、月額10万円を超える場合もあります。SEO対策やリスティング広告を依頼できるマーケティング会社によって、費用に幅があります。
自社で対応できる場合は不要ですが、SEO対策や広告運用は、専門的なノウハウが必要です。
ネット広告費
リスティング広告やディスプレイ広告などのネット広告には、費用がかかります。広告ネットワークによって異なりますが、広告がクリックされたときに課金されるクリック課金制が一般的です。
ネット広告費は予算を設定して運用できるので、費用は自社でコントロールできます。
監視・障害対応費用
ホームページのダウンタイムを抑えるためには、外部に監視・障害対応を委託して費用をかけることも有効です。ビジネスの信頼や顧客満足度の向上につながる費用といえます。
監視・障害対応費用は、マーケティング会社によって幅があります。対応範囲やサービスの充実度を考慮して、納得できる金額か検討することが重要です。
ホームページの管理を委託するメリット
ホームページの管理を専門業者に委託するメリットは、次のとおりです。
- コア業務にリソースを集中できる
- 安心して任せられる
- トラブルに対して迅速に対応できるようになる
管理を委託するか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
関連記事:ホームページ管理を外部委託するメリットや注意点を解説
コア業務にリソースを集中できる
ホームページの管理には、大きな手間や負担がかかります。自社で対応するなら管理担当者を置かなければなりません。
一方、専門業者に委託するとコア業務に人員を集中できます。新たに管理担当者を雇用するよりコストの削減につながるでしょう。
人や予算といった企業リソースの有効活用につながり、企業全体の生産性向上を期待できます。
安心して任せられる
専門業者は、最新のWeb技術やSEO、デザイン、セキュリティなど広範で豊富なノウハウを持っています。自社で対応するより質の高いホームページの管理を期待できるでしょう。
ただし、自社のホームページを任せることになるため、信頼できる業者か確かめることが重要です。実績が豊富で、コミュニケーションに問題がない業者を選ぶことをおすすめします。
トラブルに対して迅速に対応できるようになる
ノウハウのない自社が対応すると1ヶ月かかるトラブル対応も、専門業者なら3日で対応できる可能性があります。ホームページが閲覧できないダウンタイムやデータ改ざんに対する迅速な対応は、ビジネスの維持・成長に欠かせません。
専門業者によって対応内容が異なるので、予算を考慮しつつ自社に合った適切な対応を依頼しましょう。
まとめ:ホームページの管理方法を実践して目的を達成しよう
ホームページの管理方法を簡単にまとめると、以下のとおりです。
- ドメイン・サーバー・SSL証明書の更新管理
- コンテンツ・CMS・機能の更新
- SEOや広告など集客施策の運用
- トラブル対応
ホームページの管理を問題なく自社で行うには、相応のノウハウとリソースが必要となります。費用はかかりますが、専門業者に委託すると迅速で高品質な管理を実現し、貴重なリソースをコア業務に集中することができます。
自社にとって必要な管理は何かを明確にし、自社で対応できる部分と専門業者に委託する部分に分けることが重要です。ぜひ本記事を参考に、ホームページの適切な管理方法を実践してください。