初めてのテレアポに望む際の心構えと効果的なテクニックを解説

テレアポは基本的なノウハウを活用すれば結果につながりやすく、個人の技量に依存しない営業方法です。新規顧客の開拓にテレアポを利用する企業が多くあります。

しかし、初めてのテレアポでは、何から始めればよいかわからない方も多いでしょう。

当記事では、初めてテレアポを行う際の心構えから、具体的なトーク例まで解説します。大切なマインドとテクニックについても解説しているので、テレアポ初心者の方は参考にしてください。

初めてのテレアポに望む際の心構え

テレアポ初心者は技術と同時にマインド面を整えることが大切です。正しいマインドで取り組むことで、早く成果を出せるとともに、精神的負荷も少なく続けられます。

以下のポイントを意識して取り組みましょう。

  • 電話に出てもらえないことが多い
  • 断られるのが基本
  • フリートークは必要ない
  • 事前準備が大切
  • 商材に自信を持つ
  • 質よりも量が大切
  • うまく話す必要はない

それぞれ解説します。

電話に出てもらえないことが多い

対象顧客が法人、個人どちらの場合も、以下の理由から電話に出てもらうハードルが高いです。

法人の場合電話受付担当が営業電話をNGにしている場合が多い
個人の場合知らない番号からの電話を取らない方が多い

この他にも、忙しい場合は電話にすら気づかない場合もあります。

アプローチ対象によって異なるものの、100件電話して電話に出てもらえる件数は最大で3〜4割程度でしょう。

そのため、電話に出てもらえない前提で架電を行うと計画を立てやすいです。

断られるのが基本

テレアポの電話を快く受けてくれる方はほとんどいません。なぜなら、仕事や家事など、何かしているタイミングで突然電話がかかってくるためです。初めて話す顧客であっても、オペレーターの印象はマイナスからスタートすると思っていたほうがよいでしょう。

マイナスの印象を持っている方に話を聞いてもらうのは至難の業です。ゼロからのスタートではなく、マイナスをゼロにするイメージで取り組みましょう。

フリートークは必要ない

テレアポはトークスクリプトを徹底的に守ることから始まります。優れた営業マンのようにフリートークで会話する必要はありません。なぜなら、テレアポの流れは以下のようにある程度決まっているためです。

  1. 挨拶
  2. ニーズの確認
  3. 商品紹介
  4. アポ打診

会話の流れもある程度予測できるため、スクリプトを守ることが、アポ獲得率向上の近道です。イレギュラーな会話も都度スクリプトを見直すことで対応できます。

事前準備が大切

テレアポ初心者が準備すべき事項は以下のとおりです。

  • トークスクリプト
  • FAQ
  • ロープレ

テレアポは断られるのが基本のため、事前準備も断られる前提で作成することが求められます。たとえば、トークスクリプトでは拒否された際のカウンタートークや、断りづらい質問方法などです。

ロープレはイレギュラーな内容よりも、基本の流れを重点的に行うのがおすすめです。

実際の顧客をイメージしたロープレの実施で、トークスクリプトを読むだけではなく、会話として活かせるようになります。

商材に自信を持つ

商材が顧客の困りごとを解決する最適な方法だと、信じることが大切です。しかし、テレアポで断られ続けると、商材への自信が少しずつ失われていきます。商材に自信がないと顧客に不安が伝わり、さらに断られるという悪循環に陥りやすくなります。

テレアポを断られた際は、「顧客は商品が必要なほど困っていなかった」と考えるようにしましょう。

どのような商材でもすべての人の役に立つわけではありません。そのため商材を疑うことなく、本当に必要な方へ届けることを意識すべきです。

質よりも量が大切

優れた営業マンでもテレアポの成約率は10%程度と言われるため、アポ獲得には架電数の担保が求められます。初心者では、成約率が1%程度になることもあるため、成約には行動量が必要です。

しかし、質の高いテレアポを目指した結果、行動をできない方が多くいます。質の向上には成功体験と失敗体験のどちらも必要です。断られながらでも行動を続けたほうが質の向上も早いでしょう。

うまく話す必要はない

テレアポは論理的にうまく話すよりも、感情的に一生懸命話すほうが成約しやすいこともあります。特に個人顧客向けのテレアポはオペレーターの好き嫌いで判断する方も多いため、この傾向が強くなります。

テレアポが初めての方は、慣れていないことを隠す必要はありません。うまく取り繕うよりも、拙くても顧客のために必死に提案したほうが顧客の心は掴めるでしょう。

中途半端な営業テクニックには顧客も気づきます。最初は小手先のテクニックではなく、不恰好でも顧客のために考えたことを真っ直ぐに伝えるべきです。

初めてのテレアポで活用したいテクニック7選

テレアポに営業力は不要です。初心者でも簡単に使える以下のテクニックを身につけることで、成約率の向上ができるでしょう。

  • トークスクリプトを使いこなす
  • 仮説を持って架電する
  • 顧客に話してもらう時間を作る
  • 声のトーンや話すスピードは相手に合わせる
  • 顧客に合わせて架電時間を変える
  • 架電リストやスクリプトをブラッシュアップする
  • 営業感を出さない

できるものから1つずつ取り入れるのがおすすめです。

トークスクリプトを使いこなす

テレアポはトークスクリプトやFAQに沿って会話を進めるのが基本です。それらを使いこなすことでテレアポの質を高められます。なお、ただ読むだけでは顧客との会話にならず、成約率は上がりづらいでしょう。

そのため、以下の対応を心掛けることが大切です。

  • 会話の流れに合わせた会話の分岐選択や、順序の入れ替え
  • 反応に合わせてトークスクリプトの進行

顧客に資料を読んでいる印象は与えず、自然な流れで会話できます。自己流ではなく、まずは基本に忠実な対応をしましょう。

仮説を持って架電する

顧客は悩みや課題を解決できる商材だと理解したときに、アポイントを承諾します。そのため、顧客の困りごとを理解することが大切です。

しかし、初めて話をする相手に対して、悩みを打ち明ける人はほとんどいません。架電前に顧客の課題について仮説を持ち、電話の中で伝える必要があります。

ポイントは仮説の粒度です。粒度が細かいと仮説が的外れになることが多く、逆に粗いと顧客に刺さりません。仮説はあくまで、顧客に自身の話をさせるフックの役割です。テレアポの経験を重ねながら仮説の精度も高めていきましょう。

顧客に話してもらう時間を作る

テレアポで顧客の悩みやニーズを聞き出せたときは、成功する可能性が高いと言われています。なぜなら、顧客から話をする場合、以下の心情であることが多いためです。

  • オペレーターを信頼している
  • 商材に興味がある

一方、オペレーターが伝えたいことだけを伝えた場合、顧客は不快に感じている可能性が高いので注意が必要です。知らない方から電話があり、一方的に話をされて嬉しい方はいないでしょう。

質問をする、少し会話の間を作るなど、顧客が話す時間を意図的に作ることが大切です。

声のトーンや話すスピードは相手に合わせる

電話で顔が見えない状態で会話をするため、声のトーンやスピードがオペレーターの印象を決定します。さまざまな属性の顧客に気に入ってもらうためには、相手に合わせることが重要です。

たとえば、顧客がゆっくりで低い声のときは、同じようにゆっくり低い声で話します。これは「ペーシング」という手法で、顧客に親近感や好印象を与えられます。

1点注意点としては、早口な方に早口で返すと、どんどんペースが早くなり落ち着いて話ができなくなることです。早口な顧客に対しては、ペーシングを意識しつつも、少しずつ話すペースを遅くするなどの工夫をしましょう。

顧客に合わせて架電時間を変える

顧客の属性ごとに電話対応できる時間が異なります。よって以下表のように、顧客ごとに適した時間に架電するのが大切です。

対象顧客架電時間
主婦10:00〜15:00
子どもが学校の間の時間
飲食店14:00〜16:30
ランチあとのアイドルタイム
会社員10:00〜18:00
一般的な就業時間内

忙しい時間に架電すると、イライラして断られることが多くなります。一方、少し余裕のある時間では、話を聞く余裕のある場合が多いので、ゆっくり時間を使えるでしょう。

夏休みシーズンなど季節ごとに架電に適した時間は変わるため、顧客ごとの適性時間を見極めることが大切です。

架電リストやスクリプトをブラッシュアップする

架電リストやトークスクリプトは一度作成して完成ではありません。作成時点では、現場の情報が入っていないため、精度に問題がある可能性もあります。そのため、実践経験をもとに見直すことが大切です。

たとえば、実際に架電すると以下のことが起こり得ます。

  • 予定していた会話の流れで進まない
  • カウンタートークが刺さらない
  • ニーズのない顧客が多い

失敗は改修のヒントです。これらの情報をもとに改修することで、アポ獲得率の高いトークスクリプトに近づくでしょう。

営業感を出さない

営業感を隠すことで、以下のようにオペレーターと顧客双方によい影響を与えられます。

オペレーターお客様の役に立つことに集中できる
顧客購入判断をしなくてもよいため、リラックスして話を聞ける

営業感が強いと、オペレーターも顧客も互いに緊張状態になります。その結果、2人の間に壁ができてしまい、スムーズな会話が困難になるでしょう。

テレアポのゴールは、営業として「売る」ことが目的ではありません。商材に興味を持ってもらい、商談日を確定することです。その点を意識し、双方リラックスした状態で会話することが大切です。

初めてのテレアポに役立つトークスクリプトの例文

トークスクリプトには基本的な型があります。そのため以下の順番で会話の流れを作成するのがおすすめです。

  1. (法人営業限定)受付突破
  2. 挨拶
  3. ニーズの確認
  4. 商品紹介
  5. 商談打診

それぞれのポイントで注意すべきことと、例文を紹介します。

(法人営業限定)受付突破

法人へのテレアポの場合、受付が配置されている場合も多く、担当者に直接電話はできません。

受付は営業電話などの不要な電話を取り継がないことが仕事のため、担当者につないでもらうことが難しいです。担当者につないでもらうためには以下を意識するとよいでしょう。

  • 知り合いからの電話だと思わせる
  • 受付では判断できないと思わせる

たとえば「御社で利用している顧客管理システムに関する重要なご案内で電話しました。」と伝えます。専門用語を使い、あえて難しく話すのも効果的です。判断を一瞬迷わせるだけでも、電話を取り次いでもらえる可能性が高まります。

挨拶

最初の挨拶は簡潔に伝えるべきですが、少しでもつながりがある場合、そのことを示したほうが信頼を得られます。

たとえば、「以前展示会で名刺交換をさせていただいた〇〇です」というようなイメージです。相手が覚えていなくても、薄いつながりでも問題ないので、ぜひ使ってみましょう。

ニーズの確認

顧客に課題の仮説を話すことで、相手のニーズを絞り込みます。

顧客に悩みやニーズを聞いても、信頼関係がないと答えてもらえる確率は低いです。仮説を話しても、正直な回答を得られない可能性もあるため、質問方法にも工夫が必要です。

たとえば、以下のように他の人も悩んでいる、という前提をつけると顧客は答えやすくなります。

「最近、電気代が一気に上がって困っているけど、対処法がわからないという悩みをよく聞くのですが、感じたことはありますか?」

ニーズがわかれば商品紹介や商談打診がしやすくなるため、ニーズ確認のトークは複数種類持っておきましょう。

商品紹介

商品説明のポイントはすべて話さないことです。テレアポ時点で商品を完全に理解されてしまうと商談をする意味がなくなります。そのため、以下の内容だけ伝えるのがおすすめです。

  • 顧客ニーズを満たせる可能性
  • おすすめポイント2〜3点

商品紹介では顧客の期待値と情報量のコントロールが求められます。

商談打診

商談打診のポイントは、顧客に断る選択を与えないことです。たとえば、以下のように2択に絞って質問することで、どちらを選択してもアポ獲得できます。

「商品のご説明をさせていただきたいのですが、来週の前半と後半どちらがよいでしょうか?」

前半か後半か決まったあとは、月曜日か火曜日か、午前か午後か、など日程を絞り込みます。明確にNGの方には断られることもありますが、迷っているレベルであれば、この方法でアポ獲得が可能になるでしょう。

テレアポが初めてでもコツを掴めば成功率を上げられる

  • 心構え
  • テクニック
  • トークスクリプト

それぞれの要素を押さえることで、テレアポが初めての方でも徐々に成約率を高められます。ここまで紹介した内容を参考に、テレアポのやり方を見直しましょう。