テレアポを行うのに必須なのがトークスクリプトです。
トークスクリプトはテレアポの台本としてアポインター全員に配ります。そのため、質が悪ければ、成約率に大きく影響を与えるでしょう。
本記事ではトークスクリプトの概要に加えて、作り方や例文も紹介します。
何度も改善を図り、質の高いトークスクリプトを作成しましょう。
テレアポのトークスクリプトとは?
テレアポのトークスクリプトとは、会話の進め方や話す内容を細かくまとめた台本です。
経験豊富な社員であれば、トークスクリプトがなくても問題ないでしょう。しかし、常に頭を使いながら相手の会話に適切な回答をするのは苦労します。
トークスクリプトを利用すれば、少ない労力で対応できるため、架電数を増やしやすくなります。
テレアポでトークスクリプトを使うメリット
テレアポでトークスクリプトを使うメリットは6つ挙げられます。
- アポ取りまでの流れが明確になる
- 顧客との会話に集中できる
- 伝える内容が均一になるためトラブルになりづらい
- 細かいニュアンスを伝えられる
- 初心者でもすぐに戦力で活躍できる
- 組織全体のテレアポの成功率が上がる
それぞれ掘り下げていきます。
アポ取りまでの流れが明確になる
テレアポは自己流で架電するよりも、トークスクリプトどおりに進める方が成功しやすいです。
なぜならトークスクリプトは、テレアポが得意な方の成功事例を参考に作成されるからです。
トークスクリプトを用意することでアポ取りまでの流れが明確になります。
顧客との会話に集中できる
テレアポの成功率は1%程度といわれており、架電の大半は失敗に終わります。達成感の少ない業務のため、アポインターは苦労するでしょう。
トークスクリプトを用意すれば、相手から質問が来ない限り、内容を読み上げるだけで進められます。
トークスクリプトを読み上げるだけなら、脳のリソースを使わずに済むため、興味を示してくれた顧客との会話に集中できます。
伝える内容が均一になるためトラブルになりづらい
トークスクリプトがなければ、アポインターによって話す内容や商品説明に違いが出ます。
アポインターが独自の目線で商品説明をしてしまうと、誤った情報を伝えてしまうかもしれません。
トークスクリプトは商品をどのように説明するか、詳しく記載されています。それを読み込むことでアポインターの商品知識の向上が狙えます。
細かいニュアンスを伝えられる
決められた内容をただ読み上げるだけでは、成約にはつながりにくいです。
言葉ではなく、表現や抑揚が顧客の気持ちを動かすこともあります。
強調したい、注意したい箇所をトークスクリプトに記載すれば、アポインターの伝え方も上達します。
初心者でもすぐに戦力で活躍できる
テレアポはトークスクリプトを見ながら会話できるため、初心者でもすぐに戦力になれます。
また、テレアポはアポインターのレベルに依存しづらいため、トークスクリプトの質が高ければある程度の成果に期待できます。
組織全体のテレアポの成功率が上がる
トークスクリプトを活用せずにテレアポを行う場合、成功率は個人の力量に左右されるでしょう。そのため、組織全体での高い成功率は臨めません。
しかし、トークスクリプトを使えばアポインター全員に共有されるため、同じようにレベルアップできます。
多くの人員がテレアポを実施すればその分、トークスクリプトを改善する機会も増えます。
【例文あり】テレアポのトークスクリプトの流れ
テレアポのトークスクリプトは7つの流れで作成できます。
- 受付
- 挨拶・自己紹介
- つかみ
- 本題
- 切り返し
- クロージング
- アポ取り
それぞれ例文とともに紹介します。
受付
テレアポで最初の壁になるのが受付です。
担当者と話がしたくても、受付で断られてしまうのはよくあることです。
受付担当者には以下を伝えましょう。
- 電話した理由
- 簡潔な要件
- 電話を聞くメリット
受付担当者に「ここで断ってしまうと会社にとって損かもしれない」と思ってもらえれば、担当者につないでもらえるでしょう。
例文法人向けの〜のツールを提供している株式会社○○の○○です。最近御社と同業者様から〜のツールについて頻繁にご相談をいただいております。御社も検討されているのではと思い、お電話いたしました。簡単にサービスの説明の説明をさせていただけないでしょうか? |
挨拶・自己紹介
受付を突破できると、担当者とのやり取りとなります。
第一印象は重要になるため「お忙しいところ大変恐縮です」のような堅苦しい挨拶だと、打ち解けるのに時間がかかってしまいます。
そのため、柔らかい言葉での挨拶を心がけましょう。
具体的にどのようなサービスを行っているのかわかるような自己紹介がおすすめです。
挨拶の例文 はじめまして。おはようございます。お世話になります。 |
自己紹介の例文 〜のサービスを担当しています、株式会社○○の○○です。法人向けの〜のツールを提供している、株式会社○○の○○です。 |
つかみ
担当者との電話では、挨拶と自己紹介は聞いてもらえるものの、つかみの部分で断られることが多いです。
「〜の新規サービスでご連絡しました」程度では相手の印象に残りませんし、営業だと思われて断られてしまいます。
そのため、つかみは短く簡潔に、担当者の興味を掻き立てる具体的な内容にしましょう。
例文 1ヶ月で○○の業績を改善できる方法をご案内しています。○○のコストを半分に下げた実績があります。 |
本題
つかみが完了したら本題に入りますが、一方的に話すのではなく、適宜質問しながら相手のニーズを引き出しましょう。
また、相手から質問してくる場合は、興味を持ってくれている証拠です。
実績や数値を用いた回答をすることで、更に興味を持ってくれるでしょう。
例文 在宅勤務が増え、会社内でのコミュニケーションが取りづらくなっている企業様に向けて、情報共有サービスを提供しています。「在宅環境でも情報共有が容易になった」「作業効率が上がった」など、導入企業からは多くの声をいただいております。テレワークを積極的に取り入れられている御社でも、お役立ていただけるサービスかと思いご連絡させていただきました。ちなみに現在テレワークならではの課題はありませんか。 |
切り返し
切り返しを間違えてしまうと、相手に不快な思いをさせ、断られるきっかけになるでしょう。
間違っているからといって「そうではなく」「ですが」と言ってしまうと、相手は否定されたとしか感じません。相手の話に共感し、受け入れた上で話を進めましょう。
また、断ろうとしている相手を引き止めるのは大事ですが、無理に粘るのはよくありません。
無理だと思ったらすぐに諦めて、次の架電を行いましょう。
例文 そうですか。ちなみに今はどのようなシステムを使われていますか?そのシステムを選んだ理由を参考までに教えていただきたいのですが。 |
クロージング
クロージングはテレアポの最終段階で重要な場面です。
話がうまく進んでいった場合、早くアポを取りたいと思うかもしれませんが、強引に進めてはいけません。
こちらから「会って話を聞いてほしい」と伝えてしまうと、逃げられてしまう可能性があります。
最終的は判断は相手に委ねて決定してもらいましょう。
例文もし必要がないと思ったら遠慮なく断ってもらって結構です。判断するのは○○様ですので、じっくり考えていただければと思います。 |
アポ取り
アポ取りまで完了するとテレアポ成約となるため、クロージングが完了してもまだ油断してはいけません。
「いつがよいですか?」と相手に聞いてしまうと「都合のよい日がわかり次第連絡します」と逃げられてしまう可能性があります。
そのため、いくつかの日程を伝えて選択してもらうのがベストです。
例文午前と午後どちらの方が都合がつきやすいでしょうか?今週ですと○曜日と○曜日にお伺いできますがいかがでしょうか? |
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テレアポのトークスクリプト作成のポイント
テレアポのトークスクリプトの作成には以下のポイントがあります。
- テレアポの目的を明確にする
- 相手のニーズを引き出せる内容にする
- 数値や事例を用いて伝える
- 定期的に改善する
それぞれ解説します。
テレアポの目的を明確にする
扱う商品によってテレアポの目的は違います。
アポイントを設定できても、テレアポで相手のニーズを引き出せなければ商談がうまくいくとは考えにくいです。
目的を明確にして、価値のあるテレアポを心がけましょう。
相手のニーズを引き出せる内容にする
テレアポの成功率を高めるためには、どれだけ相手のニーズを引き出せるかが重要です。
トークスクリプトに記載された商品説明をただ読み上げるだけで、先方に響くとは限りません。
ニーズを引き出せると、どこにアプローチすべきか判断できます。
話が一方的にならないようなトークスクリプトを作成しましょう。
数値や事例を用いて伝える
数値や事例を用いて伝えることで、顧客への受け取り方に違いが出ます。
声だけでサービスや商品を伝えるのは難しいため、理解してもらえないこともあるでしょう。
そこで具体性の高いトークスクリプトにすれば、相手の理解度も高くなり、食いつきもよくなります。
また、数値や事例を効果的に扱えれば、損したくない心理が働くため、アポ獲得にも期待できます。
定期的に改善する
トークスクリプトに正解はないため、常に更新しづけなければいけません。
架電を繰り返すことでデータを集めて、妨げになった部分をリストアップし、改善を図ります。
また、複数の種類のトークスクリプトを用意することで、どちらの方が好感触を得られるか判断することも可能です。
仮説と検証を繰り返し、質の高いトークスクリプトを作成しましょう。
テレアポのトークスクリプトのよい例
テレアポのトークスクリプトのよい例を2つ紹介します。
- 細部まで入念に練られている
- 話は短く簡潔に伝える
それぞれ解説します。
細部まで入念に練られている
よいトークスクリプトはイレギュラーが起きないようにまとめられています。
- 質問を想定した回答を用意されている
- 断り文句への切り返し方を記載している
- 抑揚のつけるポイントを明記している
- 定量的に説明されている
これらがすべて整っていればよいトークスクリプトといえるでしょう。
細部まで入念に練られていれば、頭を余計に使わずテレアポを実施できます。
話は短く簡潔に伝える
伝える情報が多すぎると相手の印象に残りにくくなります。
質問に対しても必要以上に答えすぎず、簡潔に回答して相手の反応を待ちます。
相手が考えている間、無言になることもありますが、気まずいからと無理に話題を膨らませる必要はありません。
テレアポのトークスクリプトの悪い例
テレアポのトークスクリプトの悪い例を3つ紹介します。
- セールス感が強い
- 取引先のふりをする
- 断られやすいクローズドクエスチョンが多い
それぞれ解説します。
セールス感が強い
テレアポは、商品やサービスのよさに関わらず、営業電話という理由だけで断られることもあります。
会社では年に何度も営業の電話がかかってくるため、すべての電話に対応していてはキリがありません。
そのため、相手が興味を持ってくれるワードを早めに出したり、セールス感が出る言葉遣いを避けたりするのが重要です。
取引先のふりをする
電話の応対をする受付の方に「いつもお世話になっております」と声をかけると、取引先と勘違いされてしまいます。
そうすることで、受付から担当者に電話を繋いでもらいやすくなりますが、すぐに営業電話だとバレます。
このような手法で信頼が落ちてしまうと、今後その企業にテレアポを行うのは不可能です。
断られやすいクローズドクエスチョンが多い
テレアポのトークスクリプトは断られる隙を見せないように作る必要があります。
「はい」か「いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンは、断るきっかけになりかねません。
使い方を間違ってしまうと、テレアポの進行を阻害してしまうため注意しましょう。
まとめ:トークスクリプトを活用してテレアポの成約率を高めよう
テレアポのトークスクリプトはテレアポの成約率に大きく左右します。
トークスクリプトを使用すれば、アポインターによる成約率の差は生まれにくくなります。しかし、トークスクリプトの完成度が低ければ成約率全体に影響が出かねません。
テレアポを行いながら何度も改善し、完成度の高いトークスクリプトを目指しましょう。